新型コロナウイルスが猛威をふるっている現在、誰もが不安とストレスを抱える毎日を送っている。不要不急の外出をしないように要請されたことで、売り上げや業績が大きく低下したところが増えている。中でも、飲食店にとって客足が途絶えることは、店の存亡に関わる。飲食店に負けず劣らず深刻なのが、TCG(トレーディングカードゲーム)を主に扱うTCGショップ(カードショップ)だ。
TCGショップの多くは、TCGの新品パックや構築済みデッキ、シングルカード、サプライなどの販売のほか、店内に対戦ができるスペースを設けており、店内でフリー対戦やTCGメーカー公認大会、CSなどの大規模大会などができるようになっている。しかし、相手と2m未満の距離で向き合って数十分間戦うTCGの対戦は、いわゆる濃厚接触にあたるため、自主的に対戦スペースを封鎖しているTCGショップが増えている。
また、スペースを開放していても、公認大会自体を中止すると表明しているTCGメーカーも増えており、デュエル・マスターズ(以下DM)のグランプリや、マジック:ザ・ギャザリング(以下MTG)のマジックフェストといった大型大会も中止が相次いでいる。スマートフォンさえあれば、いつでもどこでも対戦できるDCG(デジタルカードゲーム)とは異なり、TCGは対戦相手が目の前にいないと遊べないのだ。
TCGは対戦こそが醍醐味だ。対戦ができないのであれば、当然、新しいパックを買って、自分のデッキを強化しようというモチベーションもなくなり、TCG市場の縮小やTCGショップの廃業に繋がる。ただでさえ、近年は「シャドウバース」や「ハースストーン」、「ドラゴンクエストライバルズ」といったDCGに押されているTCGだが、ここで踏ん張らないと、TCGというもの自体が日本から、いや地球からなくなってしまうかもしれないのだ。
筆者は、娘に引っ張られる形で、8年前からTCGをプレイしている紙勢(といってもDCGも両方やるタイプだが)であり、TCGが熱心なファンだけのものではなく、もっと広く誰もが気軽に楽しめるものになって欲しいと常々考えている。学生にとってはせっかくの春休み、TCGを存分に遊びたいと思っていたのに、水を差されてがっかりしているTCGファンは多いことだろう。というわけで今回の特別企画では、家に居ながら、TCGを楽しむ方法をご紹介したい。
【TCGショップ】こちらは6月に取材したTCGショップ「晴れる屋 秋葉原店」(参考記事)