Facebookによって立ち上げられた「OCP」
今週はOCPの規格の話。前々回の『これまでの光Ethernet規格振り返りと、「40GBASE-FR」をめぐる議論の経緯』で示した一覧で、OCPに関しては以下3つの規格があることを紹介した。
また、これ以外に100G CWDM4-OCPというものもあったが。これらを順に説明していきたい。
まずはOCP(Open Compute Project)について。Facebook(現Meta)によって立ち上げられたプロジェクトであるが、最初のデザインは2009年にスタート。2011年にそれをOCPというかたちで公開し、ここからプロジェクトがスタートしている。
OCPそのものは、幸い僚誌「クラウドWatch」にいろいろ記事が上がっているが、立ち上げ前後の事情は、『データセンター標準化の流れになるか ハードのオープンソース化目指す「OCP」』が分かりやすい。
要するにOCPは、Facebookのみならず自社でサーバーを立てたいと考える企業や、そうした企業にシステムを導入したいと考えるベンダーに対してのデファクトスタンダードを提供する組織で、そこにはサーバーの仕様だけでなくネットワークスイッチやEthernetそのものも含まれている。
OCPとしては、互換性とか相互接続性が担保されるのであれば、必ずしも標準化が済んでいなくても積極的に採用する方向を見せており、その意味では、過去に紹介したさまざまなMSAと非常に近い立場にある。
そのOCPが2017年1月9日に最初にリリースしたのが、「Facebook: CWDM4-OCP 100G Optical Transceiver Specification」である。ちなみにこれはSpec Version 0.1となっているが、この状態でShared(共有)とされ、この内容でほぼ確定している。OCPとしては、IEEEのように、きちんとVersionを1.0まで引き上げるということには頓着していないようだ。