世界で2台目のUSB-C版iPhone、約34万円で落札。約1000万円で売れた初代を大幅に下回る

2021年末、世界で初めてUSB-Cポート搭載に改造されたiPhone XがeBayに出品され、激しい入札争いの末に1000万円近い価格で競り落とされました。

それに触発されたGernot Jöbstl氏が防水機能を備えた2台目のUSB-C版iPhoneを自作して出品しましたが、開始価格の3000ドル(約34万5000円)で落札され、初代を大幅に下回ることになりました。

Jöbstl氏は「世界初の“防水”USB-C搭載iPhone」と称するものを自ら作りました。オリジナル版との違いは、USB-Cモジュールをしっかり支えるカスタムパーツを作成するなど、水がiPhoneの内部に入らない加工を施したことです。

さらにJöbstl氏は完成したUSB-C版iPhone XをYouTube動画で披露し、今後もこうしたプロジェクトを行う資金を得るためにeBayで販売すると予告していました。上記のように初代USB-C搭載iPhoneが8万6000ドルで売れたため、この第2弾にも高値が付く可能性があると期待されたしだいです。

しかし実際の結果といえば、入札は1件だけ。Jöbstl氏が設定した3000ドルの開始価格が、そのまま落札価格となってしまいました。

なぜ、今回はほとんど盛り上がらなかったのか。米9to5Macは、前回の(ドル換算で)6ケタ近い落札価格が付く原動力となったのは、何よりも「世界初のUSB-C搭載iPhone 」という目新さだったとの趣旨を述べています。おそらく、1000万円近くで買った人も日常的に使うためではなく、コレクション目的だったというわけです。


 世界で2台目のUSB-C版iPhone、約34万円で落札。約1000万円で売れた初代を大幅に下回る

Jöbstl氏はUSB-C対応iPhone Xとしては2台目としても、防水仕様ということで「世界初」を謳っていました。が、コレクター市場ではそうは受け取らなかったようです。また2台目ということで、1台目のような魅力が認められず、注目も集められなかったのかもしれません。

この改造品は急速充電ができず、データ通信も双方向ではなく単方向のみ、あくまでプロトタイプであるため保証がないなど制限が多く、実用面でも使いやすいとは言えないはず。

ではアップルが将来的にiPhoneをUSB-Cに移行する予定があるかといえば、可能性は低いとの説が有力となっています。

有名リーカー(注目の未発表製品にまつわる有力情報を発信する人)Jon Prosser氏や実績あるアナリストMing-Chi Kuo氏も「USB-Cを採用せず、物理的な開口部のないポートレスに移行する」との予測で一致していました。またEUはiPhoneにUSB-C採用を義務づける可能性ある法案を審議中ですが、ポートレス化すればその規制を逃れられると指摘する声もあります。

「今年こそiPhoneがポートレス化する」との噂は何度も飛び出しており、その度に外れています。が、もしも2022年のiPhone 14 Pro(仮)などがポートレスに移行し、それ以降USB-C搭載モデルが現れなければ、今回の防水仕様USB-C版iPhone Xも後世にはプレミアム価格が付くのかもしれません。

Source:eBay

via:9to5Mac