Engadget Logo エンガジェット日本版 ソニー、iPhone向け「PlayStation Now」提供を計画していたと明らかに

マイクロソフトがアップルと公称し、Xbox独占ゲームをApp Storeで配信しようとしたものの、結局は失敗したことが報じられたばかりです。それに続き、ソニーもゲームストリーミングサービス「PlayStation Now」をiOSおよびAndroidデバイス向けに配信を計画していたことが明らかとなりました。

こちらも上記MSの件と同じく、アップル対Epic訴訟に証拠として提出された機密文書から判明したかっこうです。アップル側が提出した資料には、ソニーが今後「既存のPlayStationユーザー向けストリーミングサービスのモバイル拡張、450以上のPS3ゲームへのストリーミングアクセス、PS4ゲームの追加」を予定していたと書かれているとのことです。

The Vergeが発掘した資料の日付は2017年であり、その当時PS NowはPS3、PS Vita、PlayStation TVやテレビのブラビア、BDプレーヤーで利用可能でした。ところが同年2月、ソニーは突然これら全てのプラットフォームを切り捨て、現在ではPS4とWindows PCのみを対象として続けられています。

なぜ、アップルはこの話を法廷で持ち出したのか? それは同社のゲーム定額サービス「Apple Arcade」の立ち上げを計画していたと説明する文脈でのことです。2017年といえばApple Arcadeが発表される2年前ですが、当時アップルは30社のトップゲームスタジオを対象に「数百タイトル」の追加を依頼する準備を進めていたとのこと。そのやり取りの中で、ソニーが自社のPS Now拡張プランをアップルに知らせた模様です、

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エンガジェット日本版 ソニー、iPhone向け「PlayStation Now」提供を計画していたと明らかに

現在(2021年末)にいたるまでPS NowはiPhoneにもAndroidスマートフォンにも提供されず、ソニーの計画は上手く行かなかったと思われます。MSがXboxクラウドゲーミングアプリやXbox独占ゲームをApp Storeに持ち込もうとして失敗したよりも早く、ソニーもアップルの拒絶に遭った可能性がありそうです。

ソニーは現在、PS Now"をPS Plusの利用権とセットで提供し、初代PS1~PS4タイトルや最終的にはPS5ゲームも提供する「Project Spartacus」を計画していると噂されています。このプロジェクトはXboxゲームパス対抗と推測されており、共和制ローマ期に反乱を起こした剣闘士スパルタクスをイメージしているのかもしれません。

もしも本計画が実現して他社のモバイルデバイスも対象とするならば、再びApp Storeでのアプリ配信を目指すのか、それともMSと同じくWebブラウザ経由での提供となるのか。今後の続報を待ちたいところです。

Source:The Verge