新モデルの概要を簡単に説明すると、40mm径の「HDドライバーユニット」を備え、40kHzまでの高域をカバーするハイレゾ対応の密閉型ヘッドフォン。この点は、有線のh.ear onと同じだ。新たにBluetooth 4.0に対応し、スマートフォンやウォークマンなどとワイヤレス接続可能になったのが最大の特徴。コーデックはSBC/AAC/aptXのほか、ソニー独自のLDACもサポート。これにより、Bluetoothでも“ハイレゾ相当(最大速度の990kbps伝送時)”を実現。NFCで、対応スマホ/ウォークマンなどをかざしてペアリングできる。
ウォークマンA16との組み合わせさらに、デジタルノイズキャンセリングにも対応。周囲の騒音と逆位相の音を発することでノイズを低減する機能で、ハウジングの内と外に備えたマイクで高精度にノイズを抑える「デュアルノイズセンサー」により、音楽に集中できるという。
ソニーの今までを振り返ると、ノイズキャンセリング(NC)とハイレゾの両方を利用したい場合、ウォークマン「A20HNシリーズ」に付属するカナル型(耳栓型)イヤフォンや、単体イヤフォン「MDR-NC750」を使えばよかったが、“ヘッドフォン”ではハイレゾかNCのどちらかを諦めるしかなかった。“ハイレゾ相当”のBluetooth/LDACに対応したヘッドフォンは「MDR-1ABT」という製品が存在するが、NC機能までは備えていない。
今回の「MDR-100ABN」はBluetooth/LDAC/NCの全てをカバーしたことで、ハイレゾ対応ウォークマンの相棒として最適なヘッドフォンとして登場。それだけでなく、前述の通りBluetoothのコーデックはaptXやAACもサポートし、単体でNCも使えるため、iPhoneやAndroidスマホなどウォークマン以外との接続時も十分に機能を活かせる、隙の無いモデルに仕上がっている。
本体デザインは、既存の有線モデル「h.ear on」と同様に、ハウジングやヘッドバンド、イヤーパッドまで1色でまとめているのが特徴。カラーはビリジアンブルー、シナバーレッド、チャコール・ブラック、ライムイエロー、ボルドーピンクの5種類。鮮やかな色使いと、幅広のヘッドバンドは好みが分かれると思うが、カラーによって装着した時の印象が大きく変わるため、「高音質ヘッドフォンだから落ち着いた色」のような従来のイメージに囚われず、単純に好きな色が選べるのは新鮮だ。
カラーは5色付属するキャリングケースはセミハードタイプで、カバンの中などへ無造作に入れて持ち運ぶときも安心