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53コメント53件撮影=ヤマダユウス型
2011年に登場したiPhone 4Sから数えると、筆者はiPhoneユーザーになってはや10年を迎える。そんな筆者がここ数年でもっとも惹かれたiPhone以外のスマホが、2021年10月に発売されたGoogleのAndroidスマホ「Pixel 6/6 Pro」だ。【写真】「Pixel 6/6 Pro」の全容 Pixelが初めて登場したのは、2018年11月の「Pixel 3/3XL」。あのGoogleが手掛けた(Nexus以来の)スマホということで注目を集めていたが、ソフトウェアはまだしもハードウェア面でのGoogleの技術はまだ発展途上な印象だった。そこから「Pixel 4」「Pixel 5」と順当にリリースされ、現在の最新機種がPixel 6となる。 今回のPixel 6は、歴代Pixelとは大きな違いがある。ほとんどのAndroidスマホのSoCはQualcomm社のSnapdragonシリーズを採用しており、歴代のPixelもそうだった。だが、Pixel 6はGoogle自社設計のSoC「Google Tensor」を採用した。これにより数々の機械学習処理を、デバイス内で完結できるようになったのだ。まさにPixelのためのSoC! Pixelシリーズ、もといGoogleの強みといえば、機械学習。その機械学習に特化したSoCをわざわざ開発し、翻訳や画像処理などの複雑な処理をデバイスだけで行えるようになった。この進化っぷりに筆者は猛烈に感動していた。599ドル(6Proは899ドル)という手頃な価格もありがたい。 というわけで、このたびPixel 6の実機を借りて、手持ちのiPhone 12 Proと同時並行で使ってみた。結論としてだが「機能面に不満はないが乗り換えの目的は乏しい」という、なんとも予想外のオチとなってしてしまった……。一方で、乗り換えではない使い道も発見した。 なので、今回は現代においてのスマホの買い替えや、2台持ちの意義について思うところを述べたい。写真機能や機械翻訳など、機能にスポットしたレビューは後日記事にする予定だ。 まずはスマホの買い替えについて。買い替えの目的には「いま使ってる機種が古くなり、動作にストレスを覚えるようになった」「ほかに欲しい機種が登場した」「壊れた」などがあるだろう。2021年発売の最新スマホであれば、2年程度は快適に使えるだろうし、も4~5年以上昔のモデルを使っている人も少なくない。ハイエンドかミドルレンジか、あるいは廉価モデルか、そのあたりのグレードによっても使用感は前後してくるが、数年前に比べてスマホの現役期間はとても長くなったと思う。特にAndroidはその成長が著しい。 現行機種が末長く使えるほど、買い替えの必要性がなくなる。これはあらゆるメーカーが抱えるジレンマだろう。Pixel 6のユニークな機能である音声の翻訳機能やコンピューティングフォトも、魅力ではあるが絶対に必要ではないため、いま使っているiPhone 12 Proに不足を感じていないことも相まって、乗り換える必要性はないと感じた。ただ、バッテリーの持ちについてはiPhoneよりもPixel 6の方が優れており、羨ましいと感じた部分だ。 では、乗り換えではなくPixel 6を「2台目のスマホ」として所有するのはどうか。ここに筆者は大いなる可能性を感じた。iPhoneを使っているとiOSやAppleエコシステムの恩恵に預かれるが、例えばGoogle PhotosやChromebookをパワフルに使う場合などには、Apple社のエコシステムから外れたAndroidデバイスが役に立つだろう。 そういった事情からセカンドスマホとして手頃なAndroidが欲しいとは思い続けていたが、Pixel 6はこの希望を満たすのにピッタリだった。価格も手頃でカメラ機能に関してはiPhoneよりも効果的に使える場面が多々ある(次回紹介)ため、「スマホ機能搭載カメラ」として持ち歩いてもいいくらいだと感じた。あくまでiPhoneユーザーである筆者の意見だが、メインスマホは最新~数年型落ちのiPhoneで、セカンドスマホにPixel 6の布陣ならば、たいていの作業、たとえば写真撮影、仕事やカーナビ利用といった場面もカバーできるはずだ。 そもそもスマホの2台持ちには多くのメリットがある。メインスマホを破損・紛失したとしても2台目を持っていれば知人に連絡が可能であったり、仕事とプライベートでを切り分けたり、SNSのアカウントをデバイスごとに変えたりと、実に様々だ。とはいえサブ機にかける金額は抑えたいはず。Pixel 6はGoogleの制作したデバイスでありソフトウェアのサポートの信頼性が高い(ここがほかのAndroidデバイスにない利点だ)ため、それを踏まえると2台目としての価格とスペックのバランスが良く感じる。 あえて注文があるとすれば、Pixel 6とPixel 6 Proは、どちらも本体が大きい。セカンドスマホとして持つなら、もう少し小さな本体だと嬉しい。「Google Tensor」を搭載した「Pixel 6 mini」が499ドル程度で出れば、明日にでもフラっと買ってしまうかも……。
ヤマダユウス型
最終更新:リアルサウンド