中古車購入チェックポイント [2022.01.24 UP]
中古車を塗り替えるにはどうすればいい?注意点などを知っておこう!
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中古車の古いボディを塗り替えれば心機一転、気持ちも明るくなるものです。しかし、全塗装には費用や時間がかかるなど、それなりのデメリットも存在します。では、具体的に注意すべきポイントは何なのでしょう?ここでは、中古車塗り替えの注意点、価格の基準、自分で塗装する場合のやり方や最近流行の「フルラッピング」との違いについても解説します。塗り替えによって愛車を蘇らせることを検討している方は、参考にしてみてください。この記事の目次- 中古車を塗り替えるときの注意点とポイント
- 中古車を塗り替えるメリット・デメリット
- 中古車の塗り替えはどこに依頼するべき?自分で塗装する場合は?
- 中古車の塗り替え費用はいくらかかる?
- 中古車の塗り替えは何日かかる?
- 中古車を塗り替える際の留意点
- まとめ
中古車を塗り替えるときの注意点とポイント
中古車の外装などを全て塗り替えることを「オールペイント」「オールペン」あるいは「全塗装」と呼びます。この塗り替えは、目的によって2つの種類に分類することができます。1つ目は車の外装の劣化をカバーするために行うもので、2つ目は車を自分好みの色にするのを目的とするものです。後者については好みの色に仕上げることで車への愛着が湧き、長期間気持ちよく乗ることができるでしょう。車の色にもその時々の流行があり、最新の自動車雑誌やカタログなどを参考にして確認することができます。塗り替えに使う色によっては作業に時間がかかる場合がありますが、流行っている売れ筋の色を選べば時間が短縮されることもあります。中古車の場合、希望する車種は見つかったものの「色だけが好みではない」という時にも全塗装が有効です。ボディを好みの色に塗り替えることで、先述した劣化をカバーする効果もあわせて期待できるでしょう。中古車を塗り替えるメリット・デメリット
車を塗り替えることは、メリットとデメリットの両方があります。メリットとしては古くなった車体を購入当時の色合いに戻すことができる点や、車を買い替えることなく愛車をリニューアルできる点などが挙げられます。その一方で、料金が安い業者に依頼して雑な仕上がりになってしまうと売却時の車の査定価格に影響するかもしれません。こういったデメリットも含めて、以下で詳しく説明します。全塗装のメリット
車の塗り替えはさまざまなメリットがあります。例えば、ボディの経年劣化を新品同様に戻すという効果です。元々車の塗装は時間が経てば「色落ち」「くすみ」「はがれ」が生じますが、塗り替えることで買った頃の色彩を取り戻せるでしょう。また、車を好きな色にカラーリングできるのも大きなメリットです。全塗装によって車全体の印象をがらりと変えられますし、同じ車種でも色が変わることで別の車のような新鮮な気持ちになれます。たとえ長年使ってきた愛車でも、古くなれば新車と比べて見劣りを感じるものです。そんな時にリニューアルするつもりで全塗装すれば、買い替えることなく愛車を生まれ変わらせることができます。全塗装のデメリット
車を塗り替えることのデメリットもいくつかあります。そのひとつが車を売却する際に査定価格が下がりやすいことです。塗装の仕上がりが悪い場合や、劣化した車両の耐久性をカバーするために塗装したと見なされると安値になるかもしれません。また、全塗装は車種や塗る面積によって費用が高額になることがあります。かと言って、費用を抑えようと安い料金で請け負う業者に依頼すると今度は塗装の質が落ちる可能性もあります。このように全塗装のデメリットは費用の高さと塗装の質のバランスを取るのが難しいと言えるでしょう。全塗装を行う前に、費用についてしっかり検討し、総合的に判断することが必要です。中古車の塗り替えはどこに依頼するべき?自分で塗装する場合は?
車の塗り替えは技術を持っている専門家に依頼することもでき、自力で行うことも可能です。専門の業者なら塗装の質は安心ですが、費用がかかります。費用を抑えるなら自力でやるという選択肢になるでしょう。ここでは、ディーラーや専門業者に依頼する場合と自力で塗装する場合についてそれぞれ説明します。費用と塗装の質のバランスを考えながら検討してください。①ディーラーに依頼する
車の塗り替えはディーラーでも請け負っています。新車で購入したものを全塗装する場合は、ディーラーを通すという方も多いかもしれません。しかし、実際にはディーラーは作業を直接行わず、下請けの板金塗装工場などに回される場合がほとんどです。専門の業者に塗り替えてもらうので技術的には安心できますが、費用面の問題があります。下請けに出すとどうしても中間マージンが発生するので、全体的な料金が高額になることが考えられます。②専門の塗装業者に依頼する
車の塗り替えを専門としている板金塗装業者を自分で探してみて依頼するのもいいでしょう。探すルートとしては、実際に塗装をしてもらった友人知人からの紹介、ネット上の口コミなどがあります。業者に直接依頼すれば中間マージンは生じません。しかし、全塗装の場合はどのみち高額になりやすいので、できれば数社から見積もりを取って価格を比べることをおすすめします。また、実際に店舗に足を運んでみて、印象のいい業者を選ぶようにしてください。③自分で塗り替えてみる
塗り替えにかかる費用を可能な限り安く抑えたいという場合や、自分でやりたいという場合もあるでしょう。実際、作業のための道具と環境さえ整っていれば、塗り替えを自分で行うことは可能です。自分で塗装する際、失敗しないようにするには「塗装の手順」や「必要な準備物」をしっかり把握しておくことが大切です。以下では、自分で塗り替えを行う場合の道具や方法、作業をするにあたっての注意点などを説明していきます。車の塗り替えに必要なもの
車の塗り替えを自分で行う場合、塗料はカー用品店やホームセンターなどで売られているものが活用できます。特に「缶スプレー」なら扱いやすいですし、専用の道具も不要です。その他、塗り替え作業で必要なものは以下になります。・耐水ペーパー・シリコンオフ・スポンジ・新聞紙・マスキングテープ・マスキングシート車の塗り替えのポイント自分で塗り替えるなら、作業をスムーズに進めるためにも工程をしっかり頭に入れておきましょう。作業は風のない曇りの日に行うのがベストで、屋外の場合は塗料が飛散しないよう風がない日がおすすめです。作業の準備と環境が整ったら、以下の手順で行います。1.まずはライトやフロントガラスなどの傷をつけたくない箇所にマスキングを施します。2.次に目の荒い320番程度の耐水ペーパーでボディを磨いて表面を粗くし、塗装が定着しやすくなるようにしてください。3.磨きを入れたら下地のサフェーサーを塗り、一度乾燥させてから、カラー缶スプレーで色むらが出ないように塗装していきます。4.カラー缶スプレーを使うときは、まずボディに薄く色をつける程度にしてから、塗料をしっかり乾燥させて、再びスプレーで薄く塗っていきます。この工程を数回繰り返すことで、色むらが出ないようにしながらしっかり色付けを行うことができます。5.最後にクリアカラーの缶スプレーでコーティングしたものが乾燥・硬化したら、目の細かい1000番程度の耐水ペーパーで磨いて光沢を出して終了です。中古車の塗り替え費用はいくらかかる?
塗り替えを業者などに依頼する場合の料金は、車種やボディサイズ、塗料の種類や色などによって異なります。もちろん業者ごとの違いもあり、ディーラーに依頼する場合と専門業者に依頼する場合とでは、料金体系も違います。依頼する側のプランも大切で、車の見えない部分など隅々まで塗装したいのかどうかも事前にしっかり決めたほうがいいでしょう。以下では、車の塗り替えの費用が変動する要因などについて説明します。格安の業者には要注意
業者に依頼した場合の塗り替えの費用は「車種」「塗料」「塗装の工程」など、さまざまな要素で決まります。意外に高額になることもあるので、予算の都合からできるだけ安い業者を利用したいと考えるかもしれません。ただし、格安の業者の場合は提示されていた料金は安かったのに後で追加の作業費を請求されるケースもあります。よって、事前に料金システムを確認してから見積もりを出してもらい、できれば複数の業者の料金を比較しましょう。全塗装の相場を確認しよう
車の塗り替えにかかる費用は、依頼する業者によって異なります。価格面で不安が残るようなら、「依頼する業者」「塗料の種類」「面積」をしっかり決めて、あらかじめ見積もりを出してもらいましょう。全塗装を請け負える業者は以下になります。・カーディーラー・自動車修理工場・板金塗装専門業者・カー用品店車種とボディサイズで値段が違う全塗装の場合、ボディサイズの違いによって料金が変動します。小さめの軽自動車やコンパクトカーなら最低でも15万~20万円程度です。これよりも大きいSUVやワンボックスカーはさらに高額になります。ボディサイズが大きいものを全塗装すれば、当然塗装する面積も広くなるので多くの塗料が必要になり、時間もかかります。また、部品の脱着なども行われるので、その工賃もかかります。このことから、SUV車やワンボックスカーを全塗装する場合は最低でも25万円程度を想定しておくといいでしょう。後は好みでどのようなカラーを選ぶかによっても、料金は変動します。特に費用が高額になるのがレクサスクラスの高級車です。こうした車は作業に慎重を期すため、作業には長い期間が必要で工賃も高額になります。高級車の塗り替えを業者に依頼する場合は、かなりの金額が必要になることを覚えておきましょう。塗料によって値段が違う
使用する塗料によって、塗り替えにかかる費用は変動します。塗料にはさまざまな種類があり、種類が異なれば仕上げや作業全体の工程も大きく変わるからです。例えば、最も安い「ソリッド塗装」の場合、色だけでツヤが出るのでクリア塗装の必要がなく、その分費用も安価になります。その分工期も少なくて済むので、とりあえず全塗装したいという方におすすめです。一般的な「2コート塗装」の場合は、メタリックなどの金属粒子や鉱物粒子が使われるためクリア塗装仕上げが必要になります。また、「3コート塗装」はホワイトパールなどバール塗料を用いる3層塗装なので、コートが多い分だけツヤや輝きが出ますが、2コート塗装よりも手間がかかり費用も高額になるでしょう。さらに、使用する塗料の種類によっても価格が変わります。「メタリック塗装」「マイカ塗装」「パール塗装」そして光の角度によってオーロラのように色彩が変貌する「マジョーラ塗装」などは、その特殊さゆえに費用も高くなります。最も低価格で済むソリッド塗装以外は、基本的に業者の技術料も塗料自体も高額です。上記で紹介したものは、全てソリッド塗装よりも数万円数十万円は高くなると考えておきましょう。塗り替える範囲によって値段が違う
車の全塗装を行う場合は見える部分だけを塗装するのではなく、「トランク」「ボンネットの裏側」「ドアの内側」「ピラー部分」など見えない部分にも気を配りましょう。ただし、塗装範囲が増えればそれだけ費用もかかります。作業の工程によって値段が違う
塗り替えを行う際、作業の工程によって料金は大きく変動します。例えば、全塗装のやり方として部品を外さずにマスキング処理のみ行うという方法がありますが、見えない部分は塗装しないかわりに安く済むでしょう。また、取り外しがきくライトやバンパーなどの部品を除外して塗装したり、シートやエンジンなどのパーツを全て取り外した上で塗装を行ったりする場合は、労力も時間もかかります。そのため、単純なマスキング処理よりは割高になります。このように、工程が増えるほど料金も高くなりますし、シートやエンジンを外すやり方だとひと月以上かかることもあります。もちろん、そのかわり塗装も丁寧に行われ、申し分のない仕上がりとなるでしょう。中古車の塗り替えは何日かかる?
塗り替えにかかる期間は、色の種類や工程にもよります。目安としては早くても「1週間」、それ以上かかる場合は「3週間~1ヶ月」くらいと考えておくといいでしょう。また、元の車体の色と全く違うカラーで全塗装を施す場合は、業者によっては「1~2ヶ月」かかることもあります。日常生活で使っている車を全塗装に出す場合は、こうした期間もあらかじめきちんと確かめておくことをおすすめします。場合によっては代車を手配する必要が出てくるかもしれないので、見積もり依頼時に業者に対して代車サービスの有無も聞いておくようにしてください。中には、こういった場合のために塗装作業が終了するまでの間代車を準備してくれる業者もあります。中古車を塗り替える際の留意点
車の塗り替えは料金が高額なので、後で後悔しないようにデメリットや注意点を知っておきましょう。また、類似のサービスでフルラッピングというやり方もあるので説明していきます。それらを踏まえて、全塗装するかどうか検討してみてください。「フルラッピング」とは?
車の塗り替えは全塗装だけではなく、「フルラッピング」という方法もあります。フルラッピングとは、気に入った図案を専用プリンターで「全塗装シール」に出力し、ボディへ貼りつけるというものです。この方法の最大のメリットはシールを貼るだけという手軽さにあります。色を塗る工程が不要なので重ね塗りの手間もかからず、塗りむらが発生することもありません。また、アニメやゲームなどのお気に入りのキャラクターイラストを貼りつけることも可能です。このように、ボディを手軽にデザインできる上に元の状態に戻せる点が魅力的ですが、フルラッピングは全塗装よりも料金が高く、耐用年数は全塗装に比べて劣るという点がデメリットになります。全塗装すると買取価格が下がることがある
車に後から全塗装が施されたかどうかは、プロならすぐに見破れます。そして、全塗装が施された車は「耐久性に問題がある」と見なされたり、新車時の色と違う色で全塗装した場合は仕上がりが良かったとしても売却時に買取価格が下がったりすることがあります。つまり、「車の元々のボディの経年劣化が進んでいるから全塗装したのだろう」と受け取られるわけです。ただし、明らかに傷を補修するための塗装なら査定額に影響しない場合もあるので、査定士に説明しておきましょう。もし全塗装を考えている場合は、将来的に車を売却することも考慮して検討するようにしてください。塗り替えにかかるコストが売却時の買取価格を上回るようなら、全塗装か売却のいずれかを考え直したほうがいいかもしれません。見えない部分の塗装は見落とされることがある
塗装料金を安く抑えたいなら、見える箇所だけ塗装する「ソリッド塗装」がおすすめです。ただし、ドアの開閉のたびに前の塗装のカラーが見え、塗装前・塗装後のギャップが分かるのは決して格好いいものではありません。他人の目線が気になる場合は、やはり見えにくい部分までしっかり塗装することを検討した方がいいでしょう。自力で塗り替えを行う場合も「ピラー部分」や「ドアの厚みの部分」には注意を払ってください。まとめ
①中古車を塗り替えるメリットは、車を好きな色で新品同様にできること②買取査定時に値下がりするデメリットもある③塗り替えの依頼先には、ディーラーや専門の業者がある④塗り替えの費用は、車種、ボディサイズ、塗料の種類、塗装の範囲、工程によって変わる⑤塗り替えに必要な期間は1週間~1ヶ月⑥塗り替えと似たものにフルラッピングという方法がある⑦フルラッピングは手軽さなどがメリットだが、全塗装よりも費用が高く、耐久性が低い
ライタープロフィール
グーネットマガジン編集部1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
この人の記事を読む1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
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