世間には美味しいレシピ本や丁寧な料理動画があふれ、いつでも美味しい料理を楽しめるようになりました。一方で、「レシピ通りに作れば美味しいけれど、自分で作った料理はいまいち」「冷蔵庫の中のものを使ってさっと何かを作るのは苦手」といった声も多く聞かれます。“料理は科学”と言われますが、味や食感を決めるのは「塩、油、酸、熱」の4つの要素。本書は、“この4つの要素を使いこなすことで、どんな料理も最高に美味しくできる”という理念に基づいて書かれた理論書です。料理人や料理の得意な人が、長年の経験や学びから得た“料理のコツ”を体系的に学べる名著として話題となり、世界34か国で100万部のベストセラーを記録。「全くの素人からベテランのシェフに至るまで、学びとるものがある」と、各界の料理人からも絶賛の声が寄せられました。
そうはいっても、理論書というと「専門用語と難しい解説でプロになりたい人が読むもの」というイメージが強いのではないでしょうか。本書は、ほとんどの料理に汎用できる理論を取り上げつつも、ユーモアのあふれる文章と、おしゃれで鮮やかなイラストで、とにかく読みやすいのが特徴です。原理を知り、実際にレシピを試してみることで、理論を自分のものとして体得できるつくりとなっています。
卵や牛乳のように酸味を感じない食材から、レモンやお酢など思い出しただけで唾液が出そうなものまで、酸のもとになる食物は無限にあります。「ACID 酸」の項目では、「酸とは何か?」という基本の知識からその働き、各食材の酸味を重ねるコツを解説するほか、図解で世界中の料理に使われる主な「酸の食材」をまとめています。酸について学んだあとは、ぜひ「レシピ&アドバイス」に掲載しているドレッシングを作ってみてください。
レシピがなくたって、塩、酢、油、熱を知ればちゃんとおいしい料理ができる、自分の舌を信じて! と優しく力強くそして楽しいイラストと共に語りかけてくれます。随所に出てくる"taste and eat"、これは私もいつも言っていること。味見の大切さや勘所を的確にキャッチできて、わかりやすく親しみのあるイラストがやる気を起こさせてくれます。これを読めば詳細なレシピや買い物メモから解放され、自分と向き合ってキッチンに立ち自由に料理を楽しもう! と思うでしょう。料理を心から楽しみたい方への珠玉の一冊です。 |
<著者プロフィール>
著/サミン・ノスラット氏
著:サミン・ノスラット文筆家、料理講師、料理家。「ニューヨーク・タイムズ」紙で「食材それぞれに最も適した調理法を指南する、信頼できる情報源」と評され、アメリカの公共ラジオNPRのニュース番組"All Things Considered" で「次なるジュリア・チャイルド」と評されている。2000年にシェ・パニースのキッチンに立って以来、プロの料理人として活躍。「ニューヨーク・タイムズ」紙、「ボナペティ」誌、「サンフランシスコ・クロニクル」紙などで記事を執筆。カリフォルニア州バークレーで、料理をし、ガーデニングをしながら暮らしている。本書『塩、油、酸、熱』は初めての著書。
画/ウェンディ・マクノートン氏
画:ウェンディ・マクノートン「ニューヨーク・タイムズ」紙でベストセラーリスト入りしている、イラストレーター、グラフィックジャーナリスト。手掛けた作品に、"Meanwhile in San Francisco"(Chronicle)、"Knives & Ink"(Bloomsbury)、"The Gutsy Girl"(Bloomsbury)、"Lost Cat"(Bloomsbury)(邦題『ロスト・キャット 愛と絶望とGPS の物語』/講談社)、"The Essential Scratch and Sniff Guide to Becoming a Wine Expert" (Houghton Mifflin Harcourt)などがある。「カリフォルニア・サンデー・マガジン」誌でコラムニストも務めている。パートナーと数匹の四脚動物とともにサンフランシスコ在住。サミンのおかげで、キッチンを使い込んでいる。<目次>この本の使い方PART1 料理が最高に美味しくなる4大要素 SALT 塩 FAT 油 ACID 酸 HEAT 熱PART2 レシピ&アドバイス サラダ、ドレッシング、ブイヨンとスープ、卵、さかな、肉類、ソース、他調理のレッスンおすすめのメニューその他
<刊行概要>『SALT FAT ACID HEAT 塩、油、酸、熱』■発売日:2021年9月11日(土)■定価 :3,828円(税込)■発行:株式会社世界文化ブックス■発行・発売:株式会社世界文化社https://www.amazon.co.jp/dp/4418213139※一部書店により発売日が異なります